ギャンブル依存症の実態


ギャンブル依存症は昔から問題となっている疾患の一つです。
1970年代後半に病的賭博としてWHOより正式に病気と認められました。
アルコール依存症と似ており、なかなか改善しないのが実態です。
ギャンブル依存症の主な症状は、ギャンブルにのめりこむ、興奮を求めるため掛け金が増える、やめようと思っていてもやめられないなどのことがあげられます。
初期の段階ではギャンブルをしていないと落ち着かない、負けたお金をギャンブルで取りかえそうとする症状がみられますが、一般的にギャンブルに興じる人にも現れる症状であり、依存しているかはわかりません。
そのため気が付いた時にのめりこんでいることが多く、すでに抜け出せなくなっていることが多いです。
ギャンブル依存症になりやすい人は、若い人やストレスをため込み対処方法がわからない人、様々なギャンブルが身近にある人などとなります。
近年ではわざわざギャンブル場に行かなくても、スマートフォンやパソコンからできるようになっており、犯罪に手を染めてしまうケースも見られます。
厚生労働省が2021年8月に公表した調査結果では、依存が疑われる人は男性で3.7%、女性で0.7%でした。
お金を最も使ったギャンブルの種類は、男性はパチスロ、パチンコ、競馬であり、女性はパチンコ、パチスロ、宝くじとなっています。
さらに詳しい結果では18歳から74歳の2.2%に上ると推定されており、人口に換算した場合約196万人が悩んでいることがわかりました。
年々増加している傾向があり、潜在的なケースも多いのが現状です。
この調査はアンケートによるものであり、8200人ほどから得た回答であるからです。
近年ではインターネットの環境が普及したこともあり、18歳以下の依存も問題となっており、実際にはさらに多くなると予想されています。
女性の依存で3番目に多かった宝くじもまた購入する人が多いのですが、ギャンブル依存症になると極端になり常に買っていないと不安になってしまいます。
気軽に購入できることから抜け出すことができず、いつまでも依存していることが多いのも特徴です。
ギャンブル依存症は精神疾患の一つでもあるため、しっかりと管理をしないと家庭問題や虐待など社会的な問題に発展してしまいます。
家族を巻き込むことが多いことから家族自身もうつ状態になってしまうこともあり、医療機関にて早期に治療を開始しなくてはなりません。
また周りの人に影響を及ぼすだけでなく自分自身の健康影響も懸念されており、依存している場合は食べることや眠ることを無意識で拒否する傾向があります。
生活のなかで優先順位がかわってしまうので、昼夜逆転することも多いです。
ギャンブル依存症になった場合、すぐに治ることはありません。
脳が興奮状態を求めるのでいきなりやめると脳が混乱し、自分自身もどのような行動をしているのかがわからなくなります。
そのため周りの力を借りる必要があり、やめ続ける生活を送ることにより、回復することは可能です。
日本では専門医療機関の他に保健所や精神保健福祉センターなどがあるため気軽に相談をし、専門家からアドバイスを受けることが必要となります。
さらに自助グループに参加する、リハビリ施設を利用するという方法もあります。
ギャンブルによる依存症の場合、自分で治すことはできません。
脳の病気でもあるため家族が何とかしようとしても解決できることは少ないです。
家族は接し方に悩みますが、抱え込まずに専門家に相談することが大切であり、本人を連れていく必要もありません。
正しい対処法にて接していると徐々に改善していき、自ら医療機関等に行こうとします。
自分で自覚することで良くなっていくので焦らないことが大切です。